積み木のような爆発物が続々と
「首なし兵士」の壕で捜索中の時のことだ。積み木のような四角い物体が次々と土中から出てきた。
「何だろう」と皆で首をかしげながら、手から手へ渡した。
弾薬さんに確認したところ「九九式破甲爆雷」と判明した。日本兵が戦車を破壊するために抱えて突撃した爆発物だ。
「本土で見つかったら住民避難などで大騒ぎですよ。間違いなく新聞沙汰です」
と弾薬さんは言った。
この収集団の派遣期間中に回収された爆発物は900個を超えた。
爆発物は自衛隊によって島内で爆破処理される。弾薬さんからそう教わったとき、複雑な思いを語った団員がいた。
「これらって戦時中、庶民が鍋とか釜などを供出させられて作られた物ですよね。それが七十数年経て、人知れず爆破されて無に帰していく。当時の庶民の思いも一瞬にして無に帰すようで、なんだかむなしいというか、切ないというか……」。