弾薬さん

実際、遺骨収集現場では不発弾が続々と見つかった。

見つかるたびに団員が呼んだのは「弾薬さん」だ。

『硫黄島上陸 友軍ハ地下ニ在リ』(著:酒井聡平/講談社)

弾薬さんは、不発弾処理に対応する自衛隊員の通称だった。

本土の駐屯地などから派遣され、収集団員の活動に同行する。

土の中から見つかった銃弾や砲弾、手榴弾などを回収し、処理する役目を負う。

この収集団に付き添ったのは二人だった。