(写真提供:Photo AC)
プロと一般人では持っている情報量の差が圧倒的な不動産情報。国家資格である不動産鑑定士の資格を持つ泰道征憲さんと、同じく資格保有者でYouTuberとしても活躍する中瀬桃太郎さんが書いた、不動産リテラシーが分かる『悪魔の不動産鑑定』。身近な不動産問題がいかに「怪しく」、一方でいかに「魅力的」なのか…。今回は本書より、「不動産鑑定士がマイナーすぎる」についてご紹介します。

不動産鑑定士がマイナー資格すぎる

不動産鑑定士とは、不動産の有効な利用方法を判定し、不動産の適正な価値を判断する専門家です。価格はもちろん賃料も査定できますし、土地や建物など、不動産なら全て鑑定評価できます。

不動産鑑定士は、弁護士、公認会計士に並ぶ文系三大国家資格のひとつですが、その認識は、微妙なラインに位置しているのが実情です……。

弁護士や公認会計士と同じく業務独占資格に当たるため、不動産鑑定士以外の人が不動産の鑑定評価を行うと刑事罰の対象になります。それゆえ、高度な専門性と倫理観が要求され、難易度の高い試験に合格しなければならないことが三大国家資格(一応)と称されている所以です。

では、不動産鑑定士は日本に何人いるのでしょうか。その数なんと約8,600人(令和5年1月1日時点)です。といってもこれでは、多いのか少ないのか分かりにくいので、他の士業(10士業)と比べてみましょう。

弁護士は約4.6万人、公認会計士は約3.5万人、税理士は約8.1万人、その他の士業も概ね1万人は超えています。ですので、不動産鑑定士は10士業の中で一番マイナーな資格と言えます。