レ・ミゼラブル

さて、今回はそんな中でも「名作」と呼び名の高い1995年の『レ・ミゼラブル』を鑑賞。泣く子も黙るビクトル・ユーゴーのこの名作は、2012年にはヒュー・ジャックマン主演のミュージカル・ロマンスで大ヒット。1958年のジャン・ギャバン主演の作品は文藝色が濃くて、これもたまらない作品。

そんな作品を巨匠クロード・ルルーシュ監督がどう描き、ベルモンドがどのようにジャン・バルジャンを演じるのか?

しかも音楽はミシェル・ルグランで、パトリシア・カースが主題歌を歌う。

さかもとさんイラスト、『レ・ミゼラブル』を勧める一コマ
写真・イラスト提供◎さかもとさん 以下すべて

「楽しむしかない」と、なんの予備知識もなく試写リンクを開く。が……。

「普通のレミゼと違い過ぎない??」

いや、出だしは自然だった、貧しい男が無実の罪で投獄され、妻子は赤貧にあえぐ。遂に父が獄死して、母は自殺。5歳で両親の死に遭遇した子どもがジャン・バルジャンを思わせるアンリ・フォルタン。アンリの成長後をベルモンドが演じた。しかし原作と違い、アンリはボクサーに。設定も原作よりかなり現代に近い、第1次世界大戦から第2次世界大戦の頃に置き換えられている。

なかなか原作との関係性がつかめなく、かなり見進めてから私は、「これ、レミゼだよね?」と、見ている視聴リンクを巻き戻したほどだ。第一「コゼット」らしき女の子が出てくる様子が微塵もない。

レ・ミゼラブル