つかむものが突然なくなって
と、こんな私ですが、2019年に和田さんが亡くなったときは、本当に悲しくて、私以上に不幸な人はこの世にいないんじゃないかとさえ思いました。和田さんはいい人だったから、好きなことをさせてもらって、47年間幸せいっぱいの結婚生活だった。
お別れから4年半以上が過ぎましたが、いつだって会いたい、会いたくてたまらない。死ぬまで立ち直ることはないんじゃないでしょうか。
今日も、素敵に撮っていただいた写真を見た瞬間、「和田さんに見せなきゃ」と思いました。おいしいものを口にすれば「和田さんに食べさせたい」、仕事で帰りが遅くなれば「和田さんが待ってるから急ごう」。で、そのあと「ああ、もういないんだ」と寂しさに包まれます。
こんなことがいったい、いつまで続くのかしら。でもね、和田さんを思ったその瞬間瞬間には、和田さんはたしかにいるんです。だから私はたぶんこれからも、そうやって存在を常に感じながら生きていくのでしょう。
息子たちの前でもいまだに「お父さん、お父さん」と和田さんの話ばかりするものだから、最近は「お母さんは言いすぎだよ」って嫌がられるの(笑)。話ぐらいさせてよ、と思うけれど、これは彼らなりの「元気出せよ」という励ましなのかも。