苦痛に耐えて生きながらえる日々

最近、スイスに行って安楽死をした日本人のルポを読んだ。進行性の難病で、常に壮絶な痛みと耐えがたい不快感があるのだと言う。本当は生きたかったが、それに何年も耐え、治る見込みがないことから、死を選んだそうだ。私はその人の痛みを経験したことはないし、全く比べようがないのだが、ほんの少しだけ、わかる、と思ってしまった。

終わりが見えない不調が続くと、健全な思考ができなくなっていくし、生きる気力が搾り取られていく気がする。苦痛に耐えて生きながらえるだけの日々を、投げ出したくなる。

『死ねない理由』表紙(著:ヒオカ/中央公論新社)
『死ねない理由』(著:ヒオカ/中央公論新社)

私は身体が弱く、様々な不調が学生の時からデフォルトであって、年に何度か酷い症状に襲われる。神がいるとしたら、とんでもないドSだと思う。毎回、もうダメだ! と思うギリギリのところまで追い込まれ、弱り切ったあとくらいに症状が治まる。その繰り返し。

無理して働いても、結局稼いだお金は医療費に消えていく。一体なんのために生きているのだろう。そう思うことが何度もある。