産む、産まないの自由

竹内先生の話には、余談がある。姉妹の中に子を持たない人がいると、その家系は、より繁栄するという説があるのだそうだ。

甥や姪をきめ細やかにフォローしてくれる存在になるから、子育ての質が上がり、子どもたちの人生の質が上がるのである。

『孫のトリセツ』(著:黒川伊保子/扶桑社)

人類の子育ては、生殖本能に翻弄されない人の手助けがあって、よりよく機能している。

女性の社会進出が進んだ現代、血縁に限らず、子育てに人生コストを奪われていない人たちの存在は、生態系の存続に大きく寄与していると言っていいのではないだろうか。

実際、私も、子どもを持たない女性たちに支えられてきた。

彼女たちの母性は、社会を照らすように惜しみなく使われているから。

会社のプロジェクトや後輩の育成に、きめ細やかに、意識と手間と時間を使ってくれるから。

子どもに人生コストをかけない人たちが、自分の仕事や趣味にそれを惜しみなく使ってくれることが社会全体を活性化することも見逃せない。