乗車するはずのバスに乗り遅れ
ドーミーインに荷物を預け、手ぶらで出発。スマホと財布とオヤツをポケットに入れ、これぞ本当の手ぶら!11時20分のバスに乗るため歩き始めたが、旭川の道は広く、日影がほとんどない。暑い暑いと止まったり、おお、ここのラーメン屋さんは列が!とか、覗いていたらあっという間にバスの出発時間が近くなってきた。いかんいかんと、急ぎだすが51歳の体は、そんなに急げない。と、200メートルほど先にいるバスが(多分、あのバス)出発してしまった。
いけない!美瑛白金温泉までは、あれでいかねばならないのだ、確か、美瑛までJRで行けても、そこからバスが相当ない。
よし、ここは、あのバスを追いかけて、先回りして、次のバス停から乗ろう!頭いい!とタクシーに乗り込んだ
「運転手さん、あの、あーもう見えないけど、道北バスの、美瑛行きのバスを追いかけてください、で、追い越してもらえますか?」
「え?」
「ですんで、あの、バスに乗ろうと思ってですね、でも、行っちゃったんですよ、だけど、乗りたいんです、バス、だから、追いかけて、追い越してもらえますか?」
「わかった」
「ありがとうございます!」
「どっち行ったの?」
「バス?」
「バス」
「あっちです!」
「あっちじゃないけどねえ、美瑛は」
「え」
「あっちだよ、美瑛は」
おじいさんは、反対側を指差した。
「でも、たしかに、11時20分に出発したバスは、あのバスしかなかった」
「あれやない?ぐるーと、回って、人乗せて、行くんやないの?」
「ああ、そうですかね、でもでも、大丈夫、このルートでバスを追いかけてください!」