「必要最小限」を追い求めすぎた結果

そして気づいたら、モノが増えることに対してかなりのストレスを感じるようになっていたのです。

「せっかく減らしたんだから!」と、これ以上モノを増やさないために「おしゃれはしない」「遊びにもなるべく行かない」「多少の生活の不便さはしょうがない」と頑(かたく)なになり、自分の暮らしに制限をかけるようになっていきました。

(写真提供:Photo AC)

旅行に行っても、モノが増えるのは嫌だからとお土産を買わなくなり、整理するのが億劫という理由から写真も好んで撮らなくなりました。

その時その時の感情を思い出すことさえ不要だと思い込んでいたのかもしれません。

モノの出入りが止まない生活の中で、本当にそれが必要かどうかの判断に悩み続けていると、次第にミニマリズムの楽しさよりも辛さが勝るようになりました。

最終的には、「モノの数をどこまで減らせば“ミニマリスト”なのか?」と、頭を抱えるようになりました。

「モノが少ない」ということだけで快適さを感じられることは多くありましたが、必要最小限を追い求めすぎて、かえって生活にストレスや不便を感じることもまた、多くなっていったのです。

こうして、後先考えずがむしゃらに突っ走ってきた「私のミニマリズム」は、限界を感じるようになっていきました。