たどり着いた、私のミニマリズム
私のミニマリズムの転機
当時の私は、「どうすればもっとモノを減らせるのか」ばかりを考えていました。
最初は自分にとって不要なモノを手放していましたが、次第に、周りからミニマリストだと認めてもらうためにモノを手放すようになっていったのです。
モノを手放す軸が「自分」ではなく「他人の目」になり、自分にとって本当に必要なモノが見極められなくなっていきました。
自分で自分を苦しめる手放し方をしていることは自覚していました。
しかし、どうすればいいのかわからなかったのです。
どんどん苦しくなっていって、ついには「ミニマリストを辞めようかな……」と思うようになってしまいました。
その頃、仕事でもストレスが増えて、家にいても鬱々(うつうつ)とした気分になることが多くなっていました。
さすがにこのままではいけないと思い、気分転換に、以前から興味があったデイキャンプに挑戦してみることにしたのです。
しかし、自分が本当にハマるかどうかはわからないし、モノはできるだけ増やしたくないという気持ちがあったので、百均で買ったレジャーシートと焚(た)き火台だけという簡素な形で始めました。
自然に囲まれた非日常を味わい、炭火で焼いた少し焦げたお肉を頬張りながら「なんて幸せな時間なんだろう」と思ったことを、今でも鮮明に覚えています。
それからは少しずつ本格的なキャンプ道具が増えていきましたが、モノの数が増えることに対して、不思議とストレスを感じなくなっていることに気がつきました。
そして、これまでの私は無意識のうちに、やりたいことも好きなことも我慢していたのだと自覚できたのです。
※本稿は、『がんばらないミニマリズム モノ・時間・暮らしのゆとりをつくる』(祥伝社)の一部を再編集したものです。
『がんばらないミニマリズム モノ・時間・暮らしのゆとりをつくる』(著:mai minimalism/祥伝社)
掃除、洗濯、自炊、整理整頓……。
いつも何かに追われているあなたへ。
ズボラなミニマリストが紹介する「モノ・家事・ストレスの手放し方」。