そもそも女性ホルモンのエストロゲンには、高血圧、高血糖、高コレステロールを抑える働きや、破骨細胞が骨を壊す働きを調節して骨強度を保つ作用があります。
閉経後はこうしたエストロゲンの恩恵を受けられなくなるため、動脈硬化や骨粗しょう症のリスクが上昇。
また、エストロゲンは皮膚に弾力やうるおいを与えるコラーゲンの生成にも関わるため、閉経後は肌や粘膜の乾燥・不快感、関節の不調につながることもあるのです。
さらに注意しなくてはいけないのが、「自律神経の乱れ」。自律神経には交感神経と副交感神経があり、体の中でオンとオフを切り替える働きをしています。このバランスが乱れると、頭痛や疲労感、めまい、冷え、むくみ、便秘・下痢、不眠などが起こるように。
自律神経は老化によっても働きが衰えるため、アフター更年期にこうした不調を長引かせる人が多いのです。
「年のせいかな」「病院へ行くほどではないのでは」と不調を我慢している人もいるかもしれませんが、その不調の陰に病気が隠れていることもあります。更年期が終わったあとは定期的に健康診断やがん検診を受け、症状があればためらわずに医療機関を受診する。
そして生活習慣や体調を見直し、意識的に自分の体を守らないと、30年、40年続く将来の健康を維持できないと覚えておいてください。