(写真提供:Photo AC)
2024年上半期(1月~6月)に『婦人公論.jp』で大きな反響を得た記事から、今あらためて読み直したい1本をお届けします。(初公開日:2024年05月31日)

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2023年11月24日に作家の伊集院静さんが永眠されました。『機関車先生』『受け月』などの数々の名小説を残した作家でありながら、『ギンギラギンにさりげなく』『愚か者』などの名曲を手掛け、作詞家としても活躍しました。今回は、伊集院さんの名言が多数収録された『風の中に立て ―伊集院静のことば― 大人の流儀名言集』から、ユーモアがありながらも人間を見つめる深い眼差しが秘められたエッセイを、一部紹介します。

登り坂と下り坂

目の前に登り坂と下り坂があったら、一度は(いや二度でも三度でも)自分から選んで登り坂を歩きなさい。

どうしてそんな辛い、苦しいことをしたほうがイイと言うのか。変でしょう?

でも登り坂を歩きながら、少しだけ息苦しさもある中で、もう一歩、いやもう一歩登ってみましょう。

きっと何かが、そこにあるかもしれないから……。