「それでも私の背中を見ていたのか、こうして仕事を一緒にできたり、趣味の世界を理解してくれるのは嬉しいことですね」(写真提供:森永さん)

 

結婚40年目にして新婚気分に

こういうことを言うと、康平(長男で経済アナリストの森永康平さん)に「意見が極端すぎる」と言われてしまいます(笑)。

彼はすでに私よりテレビのレギュラーも多いですし、非常にうまくやっている。メディアに向けてがんを告白した時もサポートしてくれて、康平のYouTubeチャンネルでは対談にも呼んでもらっているんです。

次男はIT技術者で、入院中に口述した本の内容を文字起こししてくれたのも彼でした。また私が愛蔵するコレクション約12万点を展示した博物館も、「自分が引き継ぐ」と。先日もその「B宝館」のホームページを見やすく刷新してくれました。

彼らが子どもの頃、私は忙しさのピークで、東京の事務所に寝泊まりして週末だけ一瞬帰るような生活。家族と接する機会がほとんどなく、康平などは「うちは母子家庭だ」とまわりに言っていた時期があるくらいです(笑)。

それでも私の背中を見ていたのか、こうして仕事を一緒にできたり、趣味の世界を理解してくれるのは嬉しいことですね。

カミさんとも結婚以来40年、ほとんど接触のない暮らしを続けてきたわけですが、今や風呂から上がって着替えをするにもカミさんの手助けがいる。ほかにも生活のあらゆる場面で依存しているので、たぶんカミさんがいなかったら私はとっくに死んでいたと思います。