茶室では誰もが平等

以前、スペイン人のご夫妻が「お先に、という思いやりの言葉はとても素敵ですね。日本の心を学ぶことができました。自分の国に帰ってからも、周りの人に伝えてみたいと思います」と、とても喜んでいらっしゃいました。

また、お茶碗をお出しする際も、お客様の正面に一番綺麗な絵柄が向くようにお出ししますが、お客様はお茶を頂く時にお茶碗を回し、綺麗な絵柄に口をつけないようにします。

『「お茶」を学ぶ人だけが知っている「凛とした人」になる和の教養手帖』(著:竹田理絵/実務教育出版)

これは、お互いを思いやる心を作法で表しているのです。

海外の方に喜ばれる教養
茶室の入口であるにじり口をくぐると、国籍、年齢、性別、地位など関係なく、誰もが平等になります。

先日茶道体験にいらしたお客様は、アメリカ、オーストラリア、ドイツ、日本と国も性別も年齢も異なる方々でしたが、皆が和やかに思いやり、笑顔で一服のお茶を頂く姿は平和そのもので、茶室の外の日常でもそのような世界になってほしい、と心から思いました。