気持ちに折り合いをつけられたのは、地元や東京から手伝いに来てくれた友人たちのおかげです。のべ50人くらい来てくれました。
私は昔から人をもてなすのが好きで、よく料理を作って家に招いたり、若い人たちを食事に誘って奢ったりしていました。見返りが欲しくてしたわけではなかったけれど、みんな覚えていて、駆けつけてくれましたね。あれは嬉しかったし、何より助かりました。
日頃の人づきあいが大切だとつくづく思います。那須町の住民とも仲良くしていたので、情報交換をしたり、励まし合ったりできて心強かったです。
当然、那須の家には暮らせなかったので、東京の事務所で1年ほど過ごしました。
もともと物にあまり執着がないタイプです。というのも、私は福岡県田川郡赤村の山奥にポツンと立つ家で生まれ育ち、電気が通ったのは6歳の時でした。カンテラ蝋燭で夜を過ごし、ほとんど自給自足の状態で暮らしていた経験があるので、原点に戻ればいいだけだと思えばどんな暮らしも怖くないんですね。
もし避難所生活になったとしても、元気に生きていく自信があります。
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