20年前のわたし

かく言うわたしも20年前は「正直」だったと思います。

たとえばネット上での発信を比べてみても、それは明らかです。当時発信していたブログはわたしの手続きミスによりうっかり消滅させてしまったのですが、尖(とが)ったことを書いていました。「怖そう」という印象を与えていたかもしれません。

『60歳からの人生デザイン - 手ぶらで、笑顔で、機嫌よく過ごすための美学』(著:秋田道夫/ワニブックス)

でもそんな時代を経て、いまのトーンや見せ方に落ち着いているわけです。

「そんな過去があったとは意外です」とよく言われます。

振り返ると「これから世に出てやるぞ」という思いもあり、爪痕を残したかったのでしょう。だからエキセントリックなことを言いたくなってしまう。若気の至りです。

でも今はもう「エキセントリックなわたし」である必要はありません。

自分も含めて誰かを傷つけるようなことは、一切書きたくないんです。

そりゃ今でも、書こうと思えばそういう内容はいくらでも出てくるでしょう。でも、書いていません。書いてないから「柔和な人」と思ってもらえるんです。