耐震診断では、診断士が建物の構造や屋根、柱、基礎などの状態を検査し、外壁のひび割れ、雨漏りやシロアリの有無、建物の傾きなどをチェック。
また、過去にどこを修繕したかといった家の歴史から現在の状態を推察します。依頼する際は、家の図面のほか、増改築やメンテナンスなどの履歴があれば用意しておきましょう。
診断士はさまざまな角度で建物の強度を計算し、耐震性を示す数値「評点」を算出します。
【1.0~1.5未満】一応倒壊しない
【0.7~1.0未満】倒壊する可能性がある
【0.7未満】倒壊する可能性が高い
一般的には、評点が1.0未満と診断されたら、1.0を目指して耐震補強を検討すべきです。
診断の費用は、住宅の規模のほか、主に目視で行う一般診断か一部解体を伴う精密診断かによっても異なります。50平米ほどの木造住宅の一般診断であれば、10万~15万円ほどが目安です。
ただし、今は国が家屋の耐震化を推進しているため、旧耐震基準で建てられた木造住宅などを対象に助成制度を設けている自治体がほとんど。費用の一部負担、全額補助など自治体により内容が異なるので、問い合わせてみてください。
マンションなど集合住宅にお住まいの方は、個人では耐震診断や補強工事を行えませんが、建物の状態を知っておくことは大切です。管理組合に、建築年、耐震診断や補強工事の履歴、今後の修繕予定などを確認しておくと安心でしょう。
『婦人公論』8月号には、特別付録「書き込み式で安心非常時に役立つmy防災手帳」がついています。地震や豪雨などの災害に見舞われた際に役立つ知恵をハンディな1冊にまとめました。全国の書店でお取り寄せが可能。ネット書店でも購入ができます。