「社会的な成功」は「人間的な成功」を目指すルートの一つにすぎない

このように、一言で「成功」といっても、そこには「社会的な成功(なりたい自分)」と「人間的な成功(ありたい自分)」の2つがあります。

そして、より大切なのは後者の「人間的な成功」を明確にイメージすることです。

なぜ「人間的な成功」が大切なのでしょう?

シビアな言い方をすると、「社会的な成功」は、必ずしも全員に約束されているわけではありません。

レギュラーの座は同じポジションを争うライバルとの競争によって勝ち取るもの。

自分がいくら努力しても、途中で怪我をしてしまうこともあれば、ライバルの方が努力も実力も上回ることもあります。それは自分ではコントロールできないもの。

一方で、もし「レギュラーになりたい」という「社会的な成功」がかなえられなかったとしても、「後輩や小中学生に勇気や感動を与えられる人間でありたい」という「人間的な成功」は、別のルートからでも目指すことができます。

つまり、「社会的な成功」は、「人間的な成功」という最終的なゴールを目指す、そのルート上にある通過点の一つにすぎません。

山の頂上に至るにはさまざまな行き方があるように、たとえレギュラーになれなかったとしても、別の「社会的な成功」を見つけて、最終的に「人間的な成功」をゲットすればよいわけです。

※本稿は、『強いチームはなぜ「明るい」のか』(幻冬舎)の一部を再編集したものです。


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