「社会的な成功」は「人間的な成功」を目指すルートの一つにすぎない

このように、一言で「成功」といっても、そこには「社会的な成功(なりたい自分)」と「人間的な成功(ありたい自分)」の2つがあります。

そして、より大切なのは後者の「人間的な成功」を明確にイメージすることです。

なぜ「人間的な成功」が大切なのでしょう?

シビアな言い方をすると、「社会的な成功」は、必ずしも全員に約束されているわけではありません。

レギュラーの座は同じポジションを争うライバルとの競争によって勝ち取るもの。

自分がいくら努力しても、途中で怪我をしてしまうこともあれば、ライバルの方が努力も実力も上回ることもあります。それは自分ではコントロールできないもの。

一方で、もし「レギュラーになりたい」という「社会的な成功」がかなえられなかったとしても、「後輩や小中学生に勇気や感動を与えられる人間でありたい」という「人間的な成功」は、別のルートからでも目指すことができます。

つまり、「社会的な成功」は、「人間的な成功」という最終的なゴールを目指す、そのルート上にある通過点の一つにすぎません。

山の頂上に至るにはさまざまな行き方があるように、たとえレギュラーになれなかったとしても、別の「社会的な成功」を見つけて、最終的に「人間的な成功」をゲットすればよいわけです。

※本稿は、『強いチームはなぜ「明るい」のか』(幻冬舎)の一部を再編集したものです。

【関連記事】
あるトレーニング導入後にリーグ戦優勝、大学日本一と次々に結果を出した慶大野球部。実はその姿を間近で見ていたのが「弟分」の…
慶應野球部メンタルコーチが考える<なでしこジャパン>が2011年に世界一に輝いた理由。出場辞退も議論される中、佐々木監督がある映像を見せて…
慶應・森林貴彦監督 高校野球オタクの少年時代、二足の草鞋で達成した日本一。「〈甲子園優勝〉を〈人生最高の思い出〉にはしてほしくない」

強いチームはなぜ「明るい」のか』(著:吉岡眞司/幻冬舎)

2023年の全国高等学校野球選手権大会で、107年ぶりに優勝した慶應義塾高校。

その舞台裏には、ある「メンタルトレーニング」の存在があった。

スポーツ、ビジネス、ダイエット、受験等々、あらゆる分野に活用でき、必ず目標達成ができるようになる必勝の一冊。