究極のゴール
「今の実力ではレギュラーに入るのは難しい。でもこれ以上どう頑張ったらいいのか。日々悶々としているんです」
「なるほど。そもそもB君はこのチームの中で、どんな部員でありたいの?」
「そうですね……。僕がプレーをすることで、一生懸命練習すれば人は必ずうまくなるということを伝えたい。後輩や小中学生などに勇気や感動を与えられる、そんな人間でありたいです」
ここでB君が目指す「レギュラーになって活躍する」ことは「社会的な成功」です。
そして、対話を通じて出てきた「後輩や小中学生に勇気や感動を与えられる人間でありたい」が「人間的な成功」です。
前者が「なりたい自分」、後者は「ありたい自分」とも言えます。
「では、『レギュラーになって活躍したい』と、『後輩や小中学生に勇気や感動を与えられる人間でありたい』。この2つの目標にあえて順番をつけるとしたら、究極のゴールはどっち?」
しばらく考え込んだ末に、B君は「後者ですね」と答えました。