テレビはメッチャ緊張する
前園 現役時代はあまり接点がなかったけど、僕が引退した後の北京オリンピックでは取材する立場だったので、桂里奈ちゃんの活躍ぶりはよく知ってますよ。特に、試合の途中から出場しても自分のプレースタイルを発揮できるのがすごいな、と。ただ、ウォーミングアップしないで試合に出たって、澤(穂希)さんに怒られたよね。
丸山 はい。ピッチで全然体が動かなかったから、「何やってるんだ!」ってメッチャクチャ怒鳴られました(笑)。私、澤さんに怒られて学びました、準備することの大切さを。
前園 それぐらい天然なほうが大舞台で点を取れたりするのよ。
丸山 私の場合、サブにスーパーがついちゃってる“スーパーサブ(試合の流れを見て、戦略的に投入される控え選手)”という、わりとみんなが嫌がりがちなポジションだったんです。でも、私はそれがカッコいいと思ったし、限られた時間の中でプレーするほうが実力を発揮できるタイプなんですよね。
前園 スーパーサブは流れが停滞している時とか、逆境になった時に空気を変えてほしいというところで出されるじゃない。だから、プレッシャーを感じる人が多いんだけど、桂里奈ちゃんはそういうの全然ないよね。僕はスタメンのほうがいいわ。途中から入ると緊張するから。
丸山 ホントですか! ただ、サッカーの時はまったく何のプレッシャーも感じなかったんですけど、テレビはメッチャ緊張します。それが今の一番の悩み。「慣れるよ」と言われるけど全然慣れなくて、終わった後、衣装がビッショビショなんです。人ってこんなに汗かくのかってぐらい。
前園 僕らは特にしゃべりがうまくて呼ばれているわけじゃないから、多少ミスしても、仮にオウンゴールしても、タレントさんや芸人さんたちが拾ってくださって、笑いに変えてくれたりするじゃない。ありがたいとしか言いようがないよね。
丸山 (明石家)さんまさんとか、有吉(弘行)さん、くりぃむしちゅーさんもダウンタウンさんも、みなさんメッチャクチャすごい。天才だと思います。
前園 僕は事件(泥酔してタクシーの運転手に暴行)後に復帰したのは、テレビ東京のスポーツ番組だったんです。でも、周りがすごく気を使って誰も事件のことに触れないわけ。
ところがフジテレビ系の『ワイドナショー』に出演した時、僕の前に置かれたウーロン茶を見た松本(人志)さんが、「それ、ウーロンハイでしょ!」とツッコんでくれて。触れにくい部分にあえて松本さんが触れてくれたことで、僕は自分の失敗をしゃべれるようになった。本当にあの番組で救われたし、ようやく再出発を果たせそうな気がしたんだよね。
丸山 松本さんが突破口になってくれたんですね。
前園 そう。それ以来、他の番組でもイジってくれるようになったので本当に感謝してます。