自分が希望するケアを受ける準備
認知症になっても自宅で長く暮らすには、早期発見・早期治療が大切です。理解力や判断力がまだある段階で発見できれば、診断の内容を本人がしっかりと受け止め、進行を予想しながら、これからの生活について考えることができます。
そのために、日頃から自分の体の状態を診てくれるかかりつけ医を持ちましょう。私の母はC型肝炎で定期的に自宅近くの病院に通院していたのですが、「最近予約をよく忘れるから」とかかりつけ医が認知症の簡易テストをしてくれました。
点数が悪かったため紹介された専門病院で詳しく検査したところ、アルツハイマー型認知症だとわかったのです。もちろん自分から、「最近もの忘れが激しいので検査してほしい」と相談してみるのもいいでしょう。
要介護認定の取得・更新に必要な「医師の意見書」も、ふだんの様子を知らない医師より、変化を正確に把握してくれているかかりつけ医に書いてもらったほうが安心です。
かかりつけ医をこれから探す場合は、(1) 遠くの病院よりも近所の診療所、(2) 医師がわかりやすい言葉で説明してくれる、新しい医療を勉強している、(3) 話しやすくて相性がいい、などのポイントを押さえましょう。