(イラスト:高橋ポルチーナ)
年齢を重ねてからのひとり暮らしは、経済面や健康面などの不安がつきものです。今から何に備えておくべきでしょうか。医療にかかるお金とおひとり様の介護事情に詳しい専門家2人が、それぞれレクチャーします(構成=山田真理 イラスト=高橋ポルチーナ)

地域の介護情報は早めにチェック

私は20年以上、おひとり様で認知症の友人のサポートをしてきました。彼女は69歳のときにアルツハイマー型認知症と診断されましたが、「自宅で生活したい」と譲らなかったため、私が半ばなりゆきで介護のキーパーソンと任意後見を引き受けることに。

その経験を通して、おひとり様で認知症になっても希望する暮らしを叶えられるかどうかは、自分の意思と、認知症になる前の「備え」に大きく左右されると実感しました。

まず、皆さんに今すぐ始めていただきたいのは、地域で人間関係を作り情報を得ること。おひとり様が認知症になったとき、最も頼りになるのは自分が住む地域の人とのつながりと支援サービスです。

日本の社会福祉は基本的に申請が必要なので、自分で手続きをしないと公的なサービスを受けられません。だからこそ、実際にどんな種類があるか、どのように申し込むかなどの知識を今から蓄えておくべきです。