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認知症と診断されたら、まずは地域包括支援センターに相談し、地域の「居場所」を紹介してもらうとともに、要介護認定を受けてください。申請は本人以外に、家族・親族や友人など本人の状態がわかる人、あるいは地域包括支援センターの職員などが代行することも可能です。

要支援・要介護と認定されると、介護保険サービスを受けられるようになります(基本は65歳以上)。早期の認知症で要支援1など軽度の認定を受けた場合、「まだ生活に不自由はないから」と、サービスの利用を先送りする人もいるかもしれません。

でも、私はなるべく早く開始することをおすすめしています。近隣の介護事業者やケアマネジャーなどとつながっておけば、症状が進んだときも適切な対応が期待できるからです。

認定後は、ケアマネジャーと一緒にケアプランを作成します。おひとり様の場合、認知症になる前に、進行段階によって自分が受けたいケアを考えてメモしておくこと。

たとえば、在宅医療・介護の内容や医療処置の選択、進行度合いによる施設入居の希望――など。そのうえで、介護のキーパーソンを事前に決め、自分の意思を託しておくといいでしょう。

キーパーソンは、頼れる家族がいない場合、親類縁者や友人・知人が引き受けますが、福祉関係者や成年後見人がなることもあります。

そして、認知症になってもひとり暮らしを続けるために、キーパーソン、ケアマネジャー、信頼できる医師、看護師、薬剤師、ヘルパー、地域の人などがうまく連携を図れる在宅ケアチームを作りましょう。つまり、常に見守りのある環境が何より重要なのです。