(イラスト:高橋ポルチーナ)
年齢を重ねてからのひとり暮らしは、経済面や健康面などの不安がつきものです。今から何に備えておくべきでしょうか。医療にかかるお金とおひとり様の介護事情に詳しい専門家2人が、それぞれレクチャーします(構成=山田真理 イラスト=高橋ポルチーナ)

発見が遅れて起こる2つの問題

ひとり暮らしの人が自宅で倒れ、助けを呼べずに亡くなる「孤独死」が増えています。

東京都監察医務院の統計によると、東京都内だけでも、自宅で死亡した65歳以上の単身高齢者は2003年の年間1441人から増加し続け、20年は4027人。17年間で約3倍になりました。

割合は男性のほうが多いようですが、おひとり様の高齢者世帯では、いつ何が起こってもおかしくありません。

孤独死をすると、どのような問題が起こるのでしょうか。最大の問題は、発見が遅れがちなことです。離れて暮らす家族や友人が、「もう少し頻繁に連絡を取っていれば」と強く後悔するかもしれません。

また、発見が遅れると遺体の腐敗が進むため、発見者の心に深い傷を残すこともあるでしょう。