女性の力で社会を変えていく
あさの 自分が何を大事にして、どういうふうに生きていきたいのか、その時々で考える訓練をしておかないと。30代で大事なものと、50代で大事なもの、あるいは私みたいに60代半ばでは、大事なものは変わっていきますよね。それに合わせて、自分の生き方をリセットしていったほうがいい。自分を軸にものを考えることは、ともすれば自己中心的だとかワガママだという言葉にすり替えられがちですが、実はそれこそが自分を大切にすることだと思います。
生田 私もそう思います。私は今、習い事も大事にしています。若い頃に憧れていたフラメンコをやり始めたら、レッスンの最中は仕事のことも家庭のことも一切忘れられる。それがあるから、バランスが取れているのかも。娘にも、母親が好きなことや仕事をしている姿を見せたいですし。彼女が大人になった時、自分もそう生きていいのだと思ってもらいたいので。
あさの 母親は、いい意味でも悪い意味でも見本になりますものね。
生田 習い事の場では、さまざまな職業の人、立場の異なる人が集まります。そういう方々に出会えるのも習い事の楽しみの一つです。
あさの 女性は、そういう横のつながりを作るのが得意ですよね。私も子どもを通して、同世代のお母さんたちとつながることができた。皆さん主婦ですが、集まれば何かしら力が生まれる。先ほど話題に出た介護の問題にしても、個人ではどうにもならないし、社会を変えていかなくてはいけない。そして変えていく小さなきっかけ、小さな粒になる力が、女性にはあると思います。
生田 先生のお話は、私より上の世代にも、下の世代の主婦の方たちにも、大きな励みになると思います。私も自分の人生について、しっかり向き合って考えていきたいです。