会場へ向かう

北九州市の2ヶ所でライヴをやった翌日、小倉で別の仕事を1本済ませ、特急みどりで佐賀に向かう。

フェスタは全部で4日間。それぞれ午前の部と午後の部がある。ボクは3日目の3時からの午後の部になんとか間に合いそうだった。

『新・佐賀漫遊記』(著:久住昌之/産業編集センター)

翌日の午前もあるが、何しろ気球なので、天候が悪かったら中止。チャンスは逃せない。

期間中は、JR長崎本線で佐賀駅から二つめに臨時駅「バルーンさが駅」が開設される。会場が近づくにつれ、家族連れ、若者グループ、県外からの観光客で超満員に。

バルーンさが駅到着は、結局3時を少し過ぎていたので、もう飛んでいるかなあと思いながら駅を降りたが、見回しても空には気球が1機も見えない。まだなのか。だけど群集は黙々と会場に向かっている。

会場は駅からすぐの嘉瀬川(かせがわ)の広大な河川敷だった。駅を出るともう屋台がたくさん出ている。でも会場全体の地図は見当たらない。群衆の流れのまま土手の上を歩いていくしかない。

今にして思うと、この説明の足りなさ、不親切さは、佐賀特有だ。

今なら「出たよ、佐賀の説明不足」と笑って言えるが、この時は何もわからず不安で、「どうすればいいんだろう? とりあえず、みんなについていくしかないな」という感じだった。