中止の可能性

広い河川敷が見えると、気球は2機ぐらいしか膨らんでいない。ワンボックスカーが、番号の書かれたスペースにポツリポツリ停まっている。どうやら気球はその中に、まだ畳んでしまってあるようだ。

会場にはずっとアナウンスと解説が流れていて、それをよーく聞いていると、どうやら午後の大会は、風のため中止になったようだ。

わずか風速4メートル以上で中止だそう。昨日も一昨日も、午後は中止だったらしい。ボクと反対に、駅に向かっている人も多く、帰るようだ。今日はもう、見物を諦めたということだろうか。想像するしかない。不安になるが、頼れるものがない。

だが長大な土手の斜面に着くと、大群衆がシートを敷いて腰をおろしている。すごい。何万人いるだろう。こんな広範囲の群衆を生で見たことがないかもしれない。これは確かに大イベントだ。なぜこんなイベントが東京で知られていないのか。

このあと日が暮れてから、夜間係留イベント「ラ・モンゴルフィエ・ノクチューン」が予定されている。ロックバンドの生演奏に合わせ、地上で膨らませたバルーン群を一斉にバーナーでライトアップさせるらしい。

大変美しいと佐賀の人から聞いている。それを見ようという大観衆は残っているのだろうか。わからないがやるなら見たい。

ところが、バルーンの夜間係留も風が強かったら中止で、バーナーの炎だけのイベントになるかもしれません、とアナウンスが言っている。

バーナーの炎だけのイベント? えー、気球が膨らまないなら、そんなの見ないで宿に帰りたい。と思った。明日最終日の朝、もう一度チャンスはある。

その時点で、やるかやらないかわからない夜間係留イベントまでに、2時間以上あった。