適切なスキンケアで見た目年齢を若々しく

個人差はあるものの、コラーゲンを作る細胞の力ががくんと衰えるのは40代。また、表皮と真皮の境目にある基底膜も加齢により働きが低下し、コラーゲン生成力に影響を及ぼしていると言います。

「近年の私たちの研究では、真皮層だけでなく、その下にある一番厚い層の皮下組織も、ハリ・弾力を維持するのに大きく関わっていることに注目しています。皮下組織は、いわゆる脂肪の層。本来ここが厚ければ、土台がしっかりして肌のボリュームを作り出せるのですが、加齢により脂肪がしぼみ、薄くなってしまう(菲薄化)。すると重力に逆らえず、顔が痩せたり、たるんだりした印象になるのです。皮下組織の変化をたとえて言うなら、パンと張っていた風船の空気が抜けて、ゆるんでいるイメージですね」と、ロート製薬の平和也さんは解説します。

このように年齢を重ねるごとに変化する肌内部の状況を、日々のスキンケアで立て直すことはできるのでしょうか。

「10代の頃の肌に戻すことはできませんが、適切なスキンケアを行えば、加齢の影響を最小限に食い止め、見た目年齢を若々しくすることは可能です」(入山さん)

図)若い肌、年齢を重ねた肌の構造の変化
図)若い肌、年齢を重ねた肌の構造の変化