芸人としての根本の部分を改めて噛みしめて
今までは日々の仕事として舞台に立ってきました。当たり前ながら。紛れもない仕事ですし、それでご飯を食べてきたわけです。お客さんに感謝しつつ、一つ一つのお仕事をクリアしていく。ありがたいことに、忙しく、そうやって暮らしてきました。
今は嫁はんの体調を見て、仕事を入れるかどうかを決める日々です。その時になってみないと体調が分からないので、何カ月後の何月何日に仕事を入れるということは難しい。マネージャーがうまいこと気を遣ってくれて「3日後に舞台の仕事が入りそうですけど、大丈夫でしょうか?」と近いところで打診してくれています。
花子:ホンマにイヤなんやけど、急に倒れるんです。目が覚めたら病院というパターンがあるんですよね。抗がん剤の副作用なんですけど、それがあるから先の予定が立てにくいんです。周りにも迷惑をかけてしまうし、ま、そら、イヤですね。
大助:なのでね、正直な話、漫才をやって生活ができるほどの仕事量ではないんです。生活の糧というよりも、嫁はんが目標を持てる。前を向ける。そのためのものとして漫才をしている。それが現状です。そう変わってきました。
その中でね、今、本当に思っているのが「舞台っていいなぁ」ということです。お客さんから反応をもらえたらうれしいし、自分が生きている価値も感じられる。もう50年近くやってるんですけど、芸人としての根本の部分を今改めて噛みしめてます。
花子:本当にね、今が一番です。感謝、希望、夢。強く感じています。