自宅屋上からの眺望は絶景(写真提供◎池畑さん)

一時期夢中になって80体以上も集めた、女の子のファッションドールもすべて売り、若い頃にオーダーして作ったケリーやバーキンなどバッグの数々も、70代の私が持つには重すぎるので、本当に好きなものだけ残して手放しました。

でも、それは単に興味がなくなっただけ。もともと飽き性なんですよ(笑)。その証拠に、必要なものは今でもどんどん買っています。佐島の家は以前よりキッチンが広くなったので、ジュースを作るためのミキサーや糖質をカットできるというロカボ炊飯器など、ほしいものを次々と揃えました。

さらに先日、熱海にマンションも買ったんです。長年、一緒に卓を囲んでいる麻雀仲間の女性たちと、「みんなで温泉に行きたいわね」ってしょっちゅう言い合っていたのがきっかけ。だったら温泉つきのマンションを買い、みんなが泊まりこみで麻雀できるように改装しようと思い立ちました。

糸島も、別荘を手放した翌年に観光大使に任命されたので、地元でゴルフ場を経営している知人の土地に大型のトレーラーハウスを置かせてもらって。昔から「トレーラーハウス暮らし」が夢だったんです。

結局、新たに2ヵ所、家が増えましたけど(笑)、これからまだ10年、20年と生きていくわけでしょう。「終活」という言葉にとらわれず、今の自分にとって必要なものは手に入れていったほうが、人生がはるかに楽しくなると思うのです。