「平民カツレツ定食」。ライス、レモンバターソースつきで880円。写真のカツは、すでにソースをかけた状態。白はヨーグルト、黒は黒酢、赤は紅生姜チリ。ライスは、すりおろした玉ねぎとクローブ、ぶどうの色素を入れて炊き込んでいる。カリフラワーライスに変更も可

 

ソースたっぷりを楽しむ薄いカツ

「貴族と平民」――といっても、中世のおとぎ話の題名ではなく、この10月、代々木公園にオープンした薄揚げカツ専門店の名前。ユニークな店名に違わず、カツもかなりの変化球だ。ご主人の佐藤幸二さん曰く「貴族カツはイベリコ豚。平民カツは国産の白豚ですが、平民でも充分おいしい」とのこと。

それにはちょっとわけがある。薄いカツは揚げたてをハーブ風味のチキンスープにさっとくぐらせてから供する独特のスタイルなのだ。うまさの理由はそれだけではない。「添えてあるレモンバターソースをたっぷりかけてください」と佐藤さん。一見、フレンチの白ワインソースのようだが、ベースはチキンスープと昆布だしで、バターをたっぷり使っているにもかかわらず、カスリメティ(香草の一種)の爽やかな香りと相まって、少しもくどさを感じない。しっとりとソースに濡れたカツは、一味違うおいしさだ。

ひとひねりあるおつまみも侮れない。手前から「空豆チーズ」(写真は、ヨーグルトソースとアイオリをトッピング)、「アンチョビもやし」(上にかかっているのはフライドオニオン)、各330円。奥にはキッズスペース(要予約)もあり、家族連れも楽しめる

卓上の自家製ソースがまた個性的。トルコ風ヨーグルトソースにメキシカン風の紅生姜とチリのソースなどその数6種。思い思いにかければ、より変化に富んだ味を楽しめる。確かにこれなら「平民」でも充分。おかわりカツ(平民220円、貴族550円)もある。