平安貴族は何を贈りものとしたか

さて、ドラマを見ながら「紙と硯に筆じゃ喜ぶのはまひろだけでしょ? 露骨すぎるというか、無頓着というか、道長ももう少し考えてよ…」なんて思った視聴者の方がいらっしゃったかもしれません。

本郷和人先生が監修を務める大人気の平安クライム・サスペンス!『応天の門』(作:灰原薬/新潮社)

そこで今回は、あらためて平安貴族が何を<贈り物>としたか、考えてみましょう。

室町時代の武家なら、贈り物には「1に馬、2に刀、3が紙」という感覚がありました。

馬は現在でいう車かな? すごくざっくりではありますが、特に陸奥や信濃の馬は、600万円くらいの高級車、といったイメージ。

そしてこれらの<贈り物>はなじみの質屋に持っていくと、お金に替わるんです。

僕が若い頃までは、お中元・お歳暮で貰う特定の銘柄のウイスキーは現金になってましたね、たしか。

それから良く訓練された鷹は、ブランド馬の更に上。一羽で立派なプレゼントになりました。