紙は貴重品

『光る君へ』を続けて見てきた方ならお分かりになっていると思いますが、紙は平安時代における大変な貴重品でした。

なので、ドラマ内で<褒美>として道長が紙を持ってきたのは、決して不自然なことでも、彼がまひろにぞっこんで、無頓着だったわけでもないのです。

ちなみに厚い紙はダメ。薄い紙が格上。

兄から美しい紙が贈られてきた。どう使おうか?  と主人の定子から相談された清少納言は「私に下さい。そこに面白いものを書きます」と願い出た。

それでできたのが『枕草子』です。

そういえば、平安時代前期に成立した『竹取物語』では、かぐや姫が5人の求婚者にとんでもない贈り物を要求していましたね。

「仏の御石の鉢」、「蓬莱の玉の枝」、「火鼠の皮衣」、「竜の首の玉」、「燕の子安貝」でしたか。

いや、こちらについては男からすれば、どうせえっちゅうねん、ですが。