発見が遅れる要因

また、トゥレット症専門の診療科がない点も、発見が遅れる要因のひとつかもしれません。

僕自身も、チックの症状で困っている人から、「何科を受診すればよいのですか」とよく質問されるのですが、「科目にこだわらず、“診られる”お医者さんを探してください」としか答えられません。

『トゥレット症の僕が「世界一幸せ」と胸を張れる理由』(著:酒井隆成/扶桑社)

現在は、以前よりもチックの存在が一般的に知られるようになって、診療できるお医者さんの数も増えているとは聞いているのですが、それでもまだまだ治療できる専門医は足りていない印象です。

そう考えると、チック以外の症状で入院したのに、たまたまチックの診察ができるお医者さんに出会えたことは、本当にラッキーだったと思います。

ちなみに、そのときの先生は現在も小児科の専門医ではありますが、僕が成人したいまでも主治医として診察を続けてくれています。