長期的に不利な立場

そして、2000年代半ばの「景気回復期」(実際には新卒採用市場はそこまで回復していなかったのだが)に入り、この景気回復から取り残された世代として就職氷河期世代が取り上げられるようになってきた。

例えば2008年に、総合研究開発機構(NIRA)が「就職氷河期世代のきわどさ」という研究報告書を出している。「ロストジェネレーション」「ロスジェネ」という言葉が使われだしたのもこのころだ。

(写真提供:Photo AC)

2000年代末には、この世代が長期的に不利な立場に置かれ続けていること、このまま何もしなければより問題は深刻化していくであろうことが、すでに指摘されていたのだ。

当時、氷河期前期に大学を卒業した世代は30代後半に差し掛かっており、サポステなどの若年支援事業の上限年齢を35歳から39歳に引き上げる動きが見られた。

おりしも、2008年秋のリーマンショックに始まる世界同時恐慌の影響で、アルバイトや派遣社員の雇止めが急増し、社会問題となっていた。