集会には子どもたちも来ていて、その中にはハリスに会うために3時間も待ち、講演をおとなしく聞いていた幼い姉弟や、銃規制を求めて活動する若い父親と小学生のお嬢さんもいました。彼らの多くが「女性に大統領になってもらいたい」と言い、ハリスに希望を抱いていました。
81歳のバイデンと78歳のトランプという「高齢の白人男性対決」にうんざりしていたミレニアル世代(1981~96年生まれ)やZ世代(96年以降生まれ)の若者たちにとって、マルチレイシャル(複数の人種・民族的背景を持つ人のこと)の女性候補というのはマイナスではなくプラス要素のようです。これは、ヒラリーの時とはまったく異なる反応です。
ハリスの両親はどちらも大学院生として渡米した移民で、ジャマイカ出身の父親は後にスタンフォード大学の経済学教授、インド出身の母親(故人)は乳がん専門の研究者になりました。彼らはハリスが幼い頃に離婚。シングルマザーに育てられたハリスと妹のマヤはどちらも弁護士の資格を取りました。
有名な弁護士事務所に勤務するほうが収入ははるかに高いのですが、社会活動家でもあった母の影響を受けたハリスは検察をキャリアに選びました。40歳で地方検事に。46歳の時に選挙で共和党の対立候補を僅差で破り、女性としても、黒人としても、インド系としても初めてのカリフォルニア州司法長官に就任したのです。
そして、トランプ大統領が誕生した2016年11月の選挙でカリフォルニア州選出の上院議員になりました。