消化にかかる時間

ごはんや麺は、決して消化が悪い食べ物ではありませんが、実は胃の中に残りやすいのです。一方、肉などのたんぱく源となる食べ物が残っていることは、まずほとんどありません。

一般的に、消化にかかる時間が早いのは、炭水化物(糖質+食物繊維)、たんぱく質、脂質の順だといわれていますが、実際は違っているのです。

『たんぱく質と腸の新常識: 絶対に漏らしてはいけない 新しい腸活とたんぱく質の正しい摂り方』(著:平島徹朗、秋山祖久/Gakken)

私たちが内視鏡検査で見てきた限り、食べ物が胃から小腸へと移動するのにかかる時間は、うどんが5~6時間 米、パンは早くて4時間ですが、いずれも遅い場合は8時間以上かかっています。

胃からは炭水化物を消化する酵素が出ないので、当然といえば当然です。一方、肉や魚などのたんぱく質は消化が悪いイメージがありますが、胃からも消化酵素が出るので、実は消化が早いのです。

<『たんぱく質と腸の新常識: 絶対に漏らしてはいけない 新しい腸活とたんぱく質の正しい摂り方』より>

実際、糖質制限ダイエットで、ごはんや麺、パンを抜いたり、極端に減らしたりして肉や魚介をメインにしたところ、すぐにお腹が減ってつらかった……という経験がある人もいるのではないでしょうか。それはつまり、炭水化物は腹持ちがいいということです。

そんな炭水化物を、朝昼夜と食事のたびに大量に摂っていたら、胃は1日中フル稼働。

もちろん、小腸も大腸も長い時間をかけて栄養を吸収し、水分を吸収していくわけですから、消化管の中は大渋滞!

未消化の炭水化物が胃内に長時間留まるせいで、消化・吸収が終わらず疲弊し、ダメージが積み重なります。こうしたことも腸漏れの引き金になるのです。