解消されないジェンダーギャップ
昨年、『日経WOMAN』の元編集長の野村浩子さんが、『市川房枝、そこから続く「長い列」――参政権からジェンダー平等まで』という評伝を上梓されました。それを読んで、「あぁ、なんと偉い人なんだろう」「本当にすごい!」。なんだか子どもみたいですが、正直な読後感です。
そして、100年前に女性の地位向上のために人生を懸けた人がいたことを決して忘れてはいけないという思いを改めて強くしました。
先輩方が全身全霊で闘い、道を少しずつ広げてくださったのに、いまだに日本のジェンダーギャップ指数は世界146ヵ国中118位(2024年6月12日発表)。バトンを渡された私たちの力不足と、この国の手ごわい保守性に、思わずため息が漏れてしまいます。
とはいえ、100年前に比べると女性の地位が少しずつ向上してきたのも事実です。先輩方が苦労して開墾した道を、私たちは手をとり合って歩いてきました。
この先、後に続く若い世代の人たちがさらに道を広げ、女性が自分らしくのびのびと生きられる社会にしてほしい。微力ながら〈長い列〉に加わった一員として、みなさんの活躍を切に願っています。