ただ、私にもひとつ言い訳がある。私は親が転勤族で、幼稚園も小学校も転校を重ねた。一番辛かったのが、小学校2年生の二学期で転校した時だ。

親友が居た。毎日毎日遊んでいた無二の親友。その友との別れがつらく、告げられた時は泣き喚いた。それも、直接母親から聞いたのではなく、茶の間で母親が知人に話しているのを聞いてしまったのだ。人目も憚らず泣き喚いてしまい、母親には後で叱られたのを覚えている。

だから、人づてに聞く辛さは一番わかっている。親心としては、ギリギリまで子どもには、いつも通りに過ごして欲しいのかもしれない。でも、子どもにしてみたら、子どもに一番に伝えて欲しいものなのだ。

自分は、どうせ別れるからと、小学校3年生からは親しい友人を作らなくなった。普通には接していたので、良い関係の友達もできたが、結局引っ越しで別れてしまい、もう連絡先も知らない。一カ所にとどまり、生まれた時からの幼馴染と還暦近くまで仲良くしている同級生を見ると、とても羨ましいと感じる。

だから、息子の友人A君が、転校の件を直接親から聞いたことを祈らずにはいられない。本当に、申し訳ない。

そして一つ、良いご報告を。1年生の時の親友とはお互いの家族が転勤を重ねても文通を続け、年賀状もやりとりしていたのだが、今年なんと50年ぶりに再会することができた。

変わらないしっくり感、なにも気を遣わず、楽しい時間を過ごすことができた。定年したら沢山会いたいと思う。

本州の端と東京なので、寿命までにあと何回会えるかは、分からないけれど。

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