「成長を知らせて」とお願い
とはいえ赤ん坊の頃から見てきた孫の成長を知りたい気持ちは、よくわかります。息子夫婦が離婚するまであなたと息子の妻の関係がさほど悪くなかったのならば、彼女に「間接的に孫の成長を知らせてほしい」と、お願いしてみてはいかがでしょうか。「本当は会いたいけれど、新しい生活を送るなかで私が連絡を取ると孫が動揺するかもしれないから、それは遠慮しますね。もしよかったら、ときどきでいいから、孫の成長ぶりを教えてくれませんか。はがき一枚、写真一枚でも送ってくれたらありがたい。あぁ、こんなに大きくなったんだなと知ることができたら、どんなにうれしいかわからないわ」と、お願いしてみるのです。
祖母として孫をかわいがってくれていたことを元妻も知っているでしょう。そのうえでこのようなお願いをされたら、「お義母さんは子どもの気持ちを第一に考えて、会いたい気持ちを我慢してくれているんだな。なんて懐の大きな人だろう」と元妻も理解してくれるはずです。
もうひとつ申し上げておきたいのは、「孫を大切に思う気持ちがあるならば、その気持ちを血縁のない子どもたちに向けてみてはいかがですか」ということです。
大我とは利他愛です。本当に大我の気持ちがあれば、周りにいる他人の子どもたちに対しても、自分の孫と同じように分け隔てなく接することができるはず。自分の孫はかわいいが、他人の子はどうでもいいだなんて、それこそ小我な証拠です。自分の孫にしてあげたいと思う気持ちのままに、子どものためのボランティアなどに参加すればいいのではないでしょうか。残念ながら日本にも世界にも、助けを必要としている子どもはたくさんいます。恵まれない子どもたちに思いを寄せることこそが本当の愛だと、私は思うのです。
前回「江原啓之 折り合いの悪い義妹を、夫の葬儀に呼びたくない。薄情と言われても、しきたりに縛られず自身の選択を」はこちら
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