血糖値の上昇が生み出す悪循環
柴田 私の場合、弱点といったらお酒かなあ(笑)。昔はウイスキーやウォッカをストレートでキュッとあおっていました。
米井 実は、アルコールは老化に大きく影響するんですよ。日本人には、お酒を飲んでも顔に出ない「強い人」、まったく飲めない「弱い人」、顔が赤くなる「中くらいの人」がいます。柴田さんはどうですか?
柴田 私は赤くもならないので、強いタイプだと思います。
米井 なるほど。では、アルコールが体内に入ると、アセトアルデヒドという毒性の強い物質ができることはご存じですか。
柴田 ひどい二日酔いの原因にもなる、にっくきヤツですね。
米井 はい。アセトアルデヒド以外にもアルデヒドはたくさん種類があるのですが、これが老化を進める《大敵》です。アルデヒドはタンパク質に非常に強く反応して結びつき、老化を促進するAGEsを体内でどんどん増やしてしまいます。
柴田 老化に関係しているとは知りませんでした。顔が赤くなる人はアルデヒドを分解しにくいぶん、注意が必要ですね。
米井 食後に血糖値が急激に上がり糖化が進みやすくなる「血糖スパイク」も、アルデヒドが原因。さらに、血糖スパイクをきっかけに多種多様なアルデヒドが大量に生み出されるため、非常にやっかいなんです。
柴田 悪循環ですね。
米井 はい。最近の研究では、血糖スパイクによって脂肪からもアルデヒドが作られることがわかってきました。
柴田 内臓脂肪も皮下脂肪も気になるお年頃です。やはり脂肪は減らすべきなんでしょうか。
米井 もともと脂肪は人間の味方。遺伝子やタンパク質が酸化するのを防ぎ、細胞が傷つくのを防いでくれます。体脂肪率が30%未満であればダイエットは必要なく、日々の生活で血糖スパイクが起こらないように気をつければいいでしょう。