抗加齢医学研究の第一人者である米井嘉一さん
「もともと脂肪は人間の味方。遺伝子やタンパク質が酸化するのを防ぎ、細胞が傷つくのを防いでくれます」(米井さん)

噛めば噛むほど腸内細菌が増える?

柴田 血糖値の上昇を防ぐためには、どんな生活習慣を身につけるといいのですか。

米井 腸内環境が整う食事を意識するといいですね。理由は、腸内細菌の種類が多いほど血糖値をコントロールできて、糖化を抑制できるからです。

柴田 私は旅公演やドラマなどの撮影が続くと、ホテルの食事やお弁当がどうしても多くなります。すぐ便秘になるので、「食物繊維が足りないのかな」と思って、朝食のバイキングではサラダやおひたしを多めに食べるようにしているのですが。

米井 外食やお弁当は食材が偏りがちなので、それが不調の原因になっているかもしれません。腸内環境を整えるには多様な種類の腸内細菌がいたほうがいいのですが、菌ごとに好みのエサが違うんです。海藻が好きだったり、トマトが好きだったり。ですから、食材の種類をできるだけ増やすことが重要なんです。

柴田 「老化予防にこの食材がいい」と聞いてそればかり食べるのは、むしろ逆効果なんですね。

米井 その通り。食事でもう一つ避けたいのは、よく噛まないこと。大学の研究室で学生たちが1日3食の食事で噛む回数を調べたのですが、少ない人は約1000回、多い人は4000回という差が出ました。

柴田 4倍も違うんですか!