評価方法の違い

フィンランドでは、評価の方法として自分自身で評価するという方法が取られることが多い。

ある課題について、自分の目的を設定し、終わった時にどれだけ達成したかを自分で評価する。また、グループである課題に取り組むときは、そこに参加した児童が評価するという方法だ。

『フィンランドの高校生が学んでいる人生を変える教養』(著:岩竹美加子/青春出版社)

しかし、先生による評価も必要なので、学年の終わりには10段階の成績表が渡される。日本では5段階で評価され、それぞれのパーセントが前もって決められているが、フィンランドでは決められていない。

また、生徒個人について偏差値という考え方はない。偏差値は、テストを受けたグループの中での自分の位置を示す数字だ。

例えば100点満点で90点を取って「良くできた」と思っても、同じ点数を取った子どもが多かった場合、偏差値は下がる。自己肯定感を挫くようなシステムでもある。

しかし、子どもの能力は多様で、偏差値で測ることはできない。フィンランドの教育で、そうした数値化は意味あるものと考えられていない。