“不景気の時代”を生きてきたことは強み

私を含めた40代に、今後の注意点はあるのか? とたずねると、意外にも内藤氏は「現在30代40代の世代は“不景気の時代”を生きてきたため、それが強みである」という。

「年齢とともに収入が上がることを期待しない世代でしょう。ある意味、堅実です。ただし結婚や出産などで働き方をペースダウンしたり、仕事を手放してしまった人も多いのではないでしょうか。今からでも遅くありません。働ける人は働く、そして自分の子ども世代には仕事は手放すな、と伝えてほしい」

就職氷河期を経験した世代は、共働きも転職も当たり前。時代とともに否応なく変化してきた。言い換えると、どんな環境でも働き続けるスキルがあるということかもしれない。

しっかり働いて稼いで、国保料を含めた税を納付し、利用できるものは使っていく。弱い人たちには寛容に接し、次の世代に皆保険制度をつないでいく。

そんな生き方を楽しみながらできたら、かっこいいという気がした。

 

※本稿は、『国民健康保険料が高すぎる!-保険料を下げる10のこと』(中央公論新社)の一部を再編集したものです。


国民健康保険料が高すぎる!-保険料を下げる10のこと』(著:笹井恵里子/中央公論新社)

今は国保と無関係な会社員も、定年後は「国民健康保険」への加入が選択肢に挙がる。

制度の仕組みから、国保料を下げる10のポイント、経済的に困窮した際に打てる策、さらには支払った国保料によって他の税金を安くする方法まで一挙紹介する。

弁護士とファイナンシャルプランナーによって監修を行い、日々の暮らしの助けとなる1冊。