政策活動費とは

派閥からの金を「政策活動費」だと思っていたので、報告書に記載しなかった、という話もありました。

「政策活動費」とは、政党から政治家個人に支出される政治資金の費目の一つで、政治資金規正法は政治家個人への寄付を原則禁止していますが、「政党がする寄付」については、例外的に許容されています。

政治家個人への寄付というのがポイントで、政治家の資金管理団体には政治資金収支報告書の提出義務がありますが、政治家個人は資産公開と通常の確定申告のみのため、使途を報告する必要がないお金となっています。

総務省が23年11月に公表した22年の各政党の報告書によると、党から所属国会議員に渡された「政策活動費」の額は、自民党14億1630万円▽立憲民主党1億円▽国民民主党6800万円▽社民党700万円。日本維新の会は政党支部から5057万円を支出していた、となっています。

『保守政治家 わが政策、わが天命』(著:石破茂 編集:倉重篤郎/講談社)

例えば議員間での会合費に使ったとして、その相手や金額まで分かるように報告してしまったら、どうでしょう?

それを見てそれぞれの議員が、「自分の時は1万円のお店だったのに、**先生の時は3万円の店だったのか」とわかってしまうのは、具合が悪いと思いませんか?

議員間でパーティ券を購入することもあります。これも同じ問題が起きます。透明にしてしまったら、「自分の時は2枚しか買ってくれなかったのに、**先生のパーティでは5枚も買っているのか」と思われてしまいます。とてもやりにくいことになります。

ですから、使途を明らかにしないカネがすなわち悪行三昧、ということではありません。

ただ、国民との信頼関係において、政治家はどんなカネをどういうふうに使うべきなのかについては、不断の見直しが必要ではないでしょうか。10年前の常識も現代では非常識になりえます。