「ユートピア政治研究会」はカネを徹底調査した

リクルート事件のことを思い出します。

88年の夏に発覚、私たちは当時の当選1回生10名でその秋に、武村正義衆院議員を座長に「ユートピア政治研究会」を結成し、政治活動になぜ、どのようなお金がどれほどかかるのか、徹底調査したことがあります。そして、その結果を公表しました。

もちろん個人差はありましたが、おおむね平均して年間1億円もかかっていたことに我々自身が改めて愕然としたことを覚えています。

第二のユートピア議連を作るべき、などと申し上げるつもりはありません。ただ、議員たちが自らの政治とお金の実態について、それなりのリスクを負って、国民に対し説明をした、という行為そのものは、一定の評価を受けたと思います。

今の政治刷新本部の動きを見る限り、どうしても受動的な姿勢を感じてしまうのは私だけでしょうか。

私は一貫して、国民が納得できるようなことを前倒しでやるべきだ、と申し上げてきました。

東京地検特捜部の捜査結果を受けて、その解明された事実関係に基づいた刷新策を講じるのは、最低限の仕事ですが、もっと国民を信用し、国民の胸に飛び込んでいくつもりで、これからの政治とカネのあり方を抜本的に議論するべきではないでしょうか。

※本稿は、『保守政治家 わが政策、わが天命』(講談社)の一部を再編集したものです。


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