もし、笠置さんと会えていたら
あの強烈な個性、才能は開花していたでしょうか。
作曲家 服部良一先生との「東京ブギウギ」という音楽は生まれていたでしょうか。
それは誰にもわからないことですが、私にとって大変興味深いことです。
ついでに、私のような歌い手が笠置さんの生きた「時代」に存在したとしたら...。さて、40年もの長い時間を歌って来ることができたでしょうか。
そして、もう一つ。もし、笠置さんと会えていたら...。どんなことを話していたでしょう。
せっかちで、人が驚くほど大胆で、悲しいくらい繊細で、過剰なほど清潔好きの片付け魔であったといわれている笠置さんと私は可笑しいくらい似ていて、きっと共感できることが沢山あったに違いないと独り善がりなことを思ったりしています。
私は昔から、興味のある人との共通点を探すことが好きで、例外ではなく、笠置さんの自伝書や他の作家によって書かれた評伝など多くを読む中で、笠置さんとの共通点を見つけ出しては会ったこともない笠置シヅ子という人に身近な感情を持つのです。