これまでに作ってきた絵本。1作目の仕掛け絵本は、『さっちゃんとくろいもり』

まずは学ぶところから、と武蔵野美術大学の通信課程に入学。ウェブを利用した授業が主体ですが、スクーリング(対面授業)もあるので、そのたびにドイツから日本に通いました。私が専攻していた油絵科には、カナダやタイから来ている人もいましたよ。年齢もさまざまで、80代の方もいたし、ある分野ですでに成功なさっている方もいました。

絵本のクラスでは、「貼り絵の技法を使い、3日間のスクーリングで1冊仕上げる」という厳しい課題も。そのとき仕掛け絵本作りにチャレンジしてみたら、大変だったけれど想像以上に面白くて。絵本作家になるという目標が定まったのは、そのころだったと思います。

妊娠を機に休学はしましたが、子育てをしながら卒業し、いまは自宅でウェブデザインやイラストを描く仕事をしています。インターネット経由で日本やドイツ以外の国からの依頼も受けられますし、仕事の傍ら、賞への応募も地道に重ねていきました。

「これからも自分なりの視点を大事にしながら、絵本作りに取り組んでいきたいですね」(撮影:洞澤佐智子)