ちょっとのつもりで口に含むと心が解放され、それからはたまに夫に隠れて飲むようになっていた。

それも止めようと思っていたタイミングで夫が出かけたので、今日は最後の一人飲み会のつもりだった。

半分より多く残った焼酎があったので、氷で割ってツマミを頬張った。すると気分も上がって愉快が止まらなくなり、ついついたくさん飲んでしまった。

瓶を持つと、とても軽い。見た目で減ったのがバレるから、別のものを入れて誤魔化しちゃおうかな、どうせ夫は飲まないし。そう思いながら半分笑って切り上げ、立ち上がると、あれれっと異変に気が付いた。

血圧が下がったのか、頭が痛いのか、目か。どうもはっきりしない不具合がある。体調を崩しがちな私は、ついお酒との関連を疑ってしまい、もの凄いスピードで酔いが冷めた。こんな事なら飲まなきゃよかった。

それに、お医者さんに酒を飲んで体調を崩したとは、とても言いづらい。

何かに負けたような、口惜しさや勿体なさを感じるが、夫に秘密の一人飲み会はもうおしまいだ。

椅子を引いて台所に戻ったら、米を研ぐ事にしよう。
 


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