私が結婚したのは夫ではなく、夫の「家」だった……!? その衝撃に惑わされながら、なじもうと努力もしたけれど、もう限界。妻たちは姑の理不尽に猛然と立ち向かった――「縁切り上等!」の覚悟で夫の実家から離れたルポの後編は…
再婚自体が気にくわない姑
そもそも嫁は、嫁ぎ先の人間関係では疎外感を味わいがちだ。親戚の噂をされても誰が誰やらわからないし、嫁ぐ前の思い出話にもついていけない。意地の悪い姑や小姑は、嫁を蚊帳の外に置き、チクチクと刺激して楽しんだりするからたちが悪い。
「再婚の場合は特に、夫以外に『味方』がいないという意味での“アウェー”感を強く意識させられます」
と語るのは、10年前に40代で再婚した埼玉県の神田桃子さん(55歳・仮名)だ。前妻を病気で亡くしてから毎朝3人の子どものお弁当を作っていた夫。
「こんなにマメで優しい息子を育てた義母なら、きっと包容力のある良い人に違いない。そう思ったのが間違いのもとでした(笑)」
姑は桃子さんも3人の子連れだったことが気に入らなかった。
「私は平等に接したつもり。でも夫の子どもは難しい年頃でしたから、姑に電話で少しグチったり。姑はそれを大げさにとらえて、『ひどい継母だ、鬼嫁だ』と騒いだようです」
贈り物には難癖をつけられ、帰省したときは桃子さんだけ古くなって臭いのついたご飯を食べさせられた。
そんな意地悪の中で最も傷ついたのが、「義父の通夜の晩、義弟の嫁たちにそれぞれの結婚のいきさつを語らせた後で、『○○さんのときは……』と、夫と前妻のなれそめを話し出したこと。嫁一同は全員ギョッとしているのに、お構いなしでしたね」